F-35に関する個人的感想

以下、個人的な感想

F-35の運動性は良いのか悪いのか?

良い
F-35の飛行特性は、F-16の高速時の持続旋回特性と、F/A-18の低速時の高AOA特性、この2つの長所を組み合わせたものである。※機体特性・設計思想参照

▼F-16の高速時の持続的な旋回                           F/A-18の低速時の高AOA(機首を向ける能力)▼
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F-16が旋回が得意であることは有名であると思う。
あまり知られてない事かもしれないが、F/A-18の機首を向ける能力が秀でているのは映像から読み取れると思う。(推力偏向を持つSu-35より機首を向ける速度が速い)

逆にこの2機の弱点として、F-16は高AOA(機首を向ける事)が苦手であり、F/A-18は加速が苦手であるため高速時の旋回などにおいて不利である。
つまり、F-35がこの2機の長所を持っているという事は、その両方の弱点を相殺しているという事にもなる。

常識的に考えれば、この2機の長所を持っているという事は運動性はものすごく良い訳で、その2つの長所を持った機体の運動性が良いのは当然である。

オランダノルウェーのパイロットによると、F-35は加速が速く(エネルギーの回復が得意)、高速時の持続的な旋回はクリーン状態のF-16に近く、F/A-18のように低速高AOA状態において瞬時に好きな方向へ機首を向ける事が得意である、と証言されている。

▼旋回の比較。F-35の旋回はF-16に近いことが映像から読み取れる         高AOAの比較。F-35の高AOAはF/A-18に近いことが映像から読み取れる▼
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▲逆にF/A-18は旋回が苦手であることも読み取れる                     逆にF-16は高AOAが苦手であることも読み取れる▲

F-35が好きな方で、「F-35の運動性はちょっと・・・」とか、「運動性は特筆すべき部分は無いけどEODASとAIM-9Xがあるし・・・」と弱気になったり
「ピエール・スプレイ氏(ファイターマフィア)の発言」や、「F-35がドッグファイトで不利」というニュースサイトの記事などを真に受けてしまい不安になっている方も多いと思うが
もっと自信を持っていいですよ。




F-35の長所と短所

長所

長所1
センサーフュージョン
最大の目玉は、何と言っても、前例のないセンサーフュージョン能力である。どういう能力かと言うと、
APG-81レーダーから得た情報と
EOTSのIRSTから得た情報と
EOTSのFLIRから得た情報と
EOTSのレーザー指示器から得た情報と
EODASの計6基の赤外線映像から得た情報と
RWRによる電波の逆探知から得た情報と
味方の僚機からのデータリンクから得た情報
これら全ての情報を統合し、ディスプレイ上のマップに重畳(ちょうじょう=幾重にも重なること)一括表示する能力である。

想像してみて欲しい。これだけの情報から得られる正確さを。
「こんなことをして何になるのか?」 「何もそこまで…」 である。
強力すぎる能力である一方、過剰すぎるとも言える能力である。



長所2
戦闘行動半径
まず、単純に燃料が多い。多すぎる。
単発機で8t以上の機内燃料を持つ戦闘機は、恐らくF-35以外存在しないだろう。
航続距離は空軍大佐の証言から導き出した計算によると、なんと「5600km」もの長さがある。※航続距離参照
行動半径は、A型で1408km、C型で1422kmもあり、従来の戦闘機(F-15、F-16、F/A-18など)が増槽を3つ必要とする距離を、機内燃料のみで実現している。※戦闘行動半径参照 ※他の機体との比較参照
A型は機内燃料のみでA-10と同等の滞空時間と飛行距離があるという証言もあり、その航続力の高さをうかがわせる。※戦闘行動半径参照


長所3
EO-DAS
死角が無い。
もはやドッグファイトをする必要が無くなってしまった。
どういうことかというと、狙いを付けるために機首のレーダーを敵にわざわざ向けるという労力が必要なくなり、パイロットが首を回して肉眼で敵を探すという苦労も必要なくなってしまった。
こんなものが付いている戦闘機は他に存在しない。


長所4
ステルス
ステルス能力を有する戦闘機は数えるほどしかいない。


長所5
電子戦
電子攻撃能力を持った戦闘機も数えるほどしかいない。
「レーダーは送信専用で高出力なスタンドオフジャマーとして機能する」との記述がある。※電子戦参照 ※電子攻撃参照


長所6
巡航速度
巡航速度が速い。
アフターバーナー無しでM1.2の巡航が出来る戦闘機も数えるほどしかいない。※スーパークルーズ参照


長所7
運動性能
運動性能が良い。
F-16の高速時の持続旋回性と、F/A-18の低速高AOA時の機首を向ける性能、その2つの性能を持ち合わせている。※運動性能参照
この両特性を併せ持つ機体も数えるほどしかいない。



短所

短所1
開発の難航
最終完成型のブロック3Fに中々辿り着けない……と言っても2年以内に完成しそうではあるが。(この感想を書いてるのは2016年)
主にセンサーフュージョンのためのソフトウェア開発が難航していると言われるが、それはいったん置いといて、まずはF-35が使用する兵装を見てもらいたい。

ブロック3Fになると、なんと20種類もの武器が使えるようになる。膨大な数である。
センサー系のソフト開発だけでも手一杯なのに、これでは開発が難航するのも当然である。
裏を返せば、開発が難航してしまうくらい、武器が多い。とも言える。
「もうちょっと減らしても良かったのでは?」と思わなくもない。


以上、短所はこれ一個だけである。

もはやテンプレとして度々目にする「航続距離が短い」「最高速度が遅い」「運動性能が低い」「価格が高い」も、
「航続距離が短い」 LM副社長とノルウェーパイロットと空軍大佐によると、従来機よりも航続距離は長い。空軍大佐の証言からA型の航続距離は機内燃料のみで5600kmあることが分かり、A型の行動半径は機内燃料のみで1408kmある。
「最高速度が遅い」 武装2.1tの状態でM1.6を出せる機体はほとんどいない。そもそもアフターバーナー使用時の速度は燃料消費が激しく旋回もままならなくなる為、実戦において役に立たない。
「運動性能が低い」 オランダとノルウェーのパイロットによると運動性はF-16以上。第4.5世代機よりも加速は速くG限界も大きく旋回率も高く、最大AOAは110°もある。
「価格が高い」 現在の価格は一機100億円以下である。(アメリカが製造する日本向けAX-1~4号機の単価が一機約96億円)アメリカで製造する分には安いと言える。
                   
と、すべて的外れである。







F-22とF-35どちらが良いか?(強さではない)

こういった比較は、戦闘行動半径の面から見ると良い。
その差315kmである。

単純に考えれば、「半径1093km以内で戦うならばF-22。」 「半径1093km以上半径1408km以内で戦うのならF-35A。」、と言うことが出来ると思う。

それでも、F-35AはF-22より+315km分余計に行動できるため、利便性はF-35に分があると言える。
例として挙げると、

●戦場では、敵が中々こちら側にやって来ない状況が想定できる。せっかく出撃したのに、骨折り損のくたびれ儲けになる可能性が考えられる。
  しかしF-35は、+315km分余計に行動できるため、敵が来るまでその場で待機することが出来る。

●敵が撤退し始めても、F-35は+315km分、敵を追撃することが出来る。

●F-35は武器を使い果たしても戦場に残り、行動限界に達するまでその強力なステルス性とセンサー能力と通信能力で偵察監視に徹し、戦場のデータを後から来る友軍に渡しバトンタッチすることも出来る。

こういった面から、F-35はF-22よりも柔軟性があると言える。




  • 最終更新:2016-06-29 18:44:12

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