センサーフュージョン性能2

長い

F-35センサーフュージョン設計思想 + その他

基本的なF-35の理解:航空機のベースライン(基礎)は何か?

F-35は、開発、製造、戦闘航空隊のシステムおよび維持に新しいアプローチを示す。さらにF-35は、エアフレームおよび世界的な航空隊のライフサイクルを超え、コラボレーティブ(共同)・アップグレードの革新的なアプローチを採用している。
現在の生産は、基本的な航空機のロールアウトにおける理解が、ばたばたしている間に忘れられることがよくある。一つの例外を除き、フォートワースにあるロッキードマーティンF-35施設で組み立てているジェット機は、試験機ではない。

それらは生産航空機であり、米海兵隊航空機はIOCが先駆けて差し迫っている。別の言い方をすると、F-35Bは飛行センサーシステムとして細かい設定なしに何を行うことが出来るのか?
そして、航空機にアップグレード能力が組み込まれていることを忘れてはならなず、別の方法では、プラットフォームおよび航空隊の両方の航空機を本質的なアップグレードを行うことが出来る。

しかし、完全に把握されていないのは、それらの代替機として設計された初のF-35は、すでにどの飛行機よりも優れた航空機ということである。

F-35の基礎またはありきたりな議論をするために、F-35の開発と生産プロセスを通してロッキードマーティンと働いていた元F-16パイロットで米空軍アカデミー卒業生のDr.マイク・スカフと話した。
Dr.スカフとの議論の過程で、航空機に組み込まれた9つの重要な要素が、航空機の基礎を特徴づけるものであると確認した。
  1. パイロットを戦術的な意思決定者として機能することを可能にする新しいコクピットとヘルメット。
  2. F-35のコア・コンバットシステムを統合するフュージョン・エンジン。
  3. そのフュージョン・エンジンは、戦闘活動全体にわたって情報を共有するように設計されており、他の言葉で言えば、各飛行機は相乗効果が使用可能になる。
  4. この飛行機は、チップの基本的なアーキテクチャおよびソフトウェアのアップグレード可能性に基づいて構築されたウェポンシステムとして構築されている。
  5. そのソフトウェアは、パイロットの負担を軽減するための形式で構築されている。
  6. ステルスは航空機に組み込まれており、航空機全体のコア・イネーブラー(重要な中核)である。
  7. フライング・コンバットシステムとして、F-35の高度な敏捷性は、戦闘運用において重要な鍵である。
  8. F-35の発電により、そのフュージョンエンジンは長期的な成長戦略を可能にする。無人航空機は発電を航空機を飛行させることに専念しているためセンサーおよび武器搭載が少なく最適ではないが、それとは違い、F-35には大きな成長の可能性がある。
  9. F-35は従来の武器のありとあらゆるものを発射することが出来るが、おまけに、次世代の武器の基礎を構築することも出来る。

SLD(記者質問):あなたの経歴について少し教えていただけますか?

スカフ:私は空軍士官学校出のF-16パイロットだった。私は以前は入隊していたが、95年以来、私はロッキード・マーティンと約23年間F-35コクピットに取り組んできた。私は冷戦時にマクディル、ショー、ルークから飛び出した。

SLD:コクピットにより、パイロットは戦術的な意思決定者として機能することを可能にするが、これは戦闘機パイロットの観点において多くの意味を持っている。なので、この飛行機とは違う、通常の飛行機で得る通常のコクピットについてはどうですか?

スカフ:そのコクピットの設計を開始したとき、「パイロットを戦術家の役割に戻す。」という設計思想から始めた。
我々がそれを行った理由は、私が飛んだF-16およびF-15とグリペンとラファールは全て良い飛行機だったが、それらのセンサー管理のせいでパイロットがオーバーロード(過負荷)していたためである。
戦術的な行為を行うことができず、パイロットはレーダーを制御したり傾けたりすることに時間を費やしていた。なので私たちは言った。 「我々はそれから離れなければならない。私たちはこのパイロットを戦術家の役割に戻さなければならず、先進プロセッサおよびフュージョンは、パイロットに負担をかけるだけの事を本当に上手くやってくれるようにしなければならない。」
言い換えれば、コンピュータがベストを尽くすようなことはコンピュータにさせ、パイロットにはパイロットのベストを尽くせるようにする。
コンピュータは、アルゴリズム機能を非常に上手く高速に処理できる。
パイロットは、ヒューリスティック(アルゴリズムに頼らずに、蓄えた経験的な知識によって幾つかの選択肢の中から最適なものを選択する手法)な「思考」をとても上手くやっているが、それは行う時間があるときだけである。我々は、パイロットに時間を返さなければならない。
そして、その思想が、飛行機がパイロットに状況認識と管理可能な作業負荷を与えたことを私たちは確認したかった。

SLD:それで、航空隊に組み込まれている航空隊の各プラットフォームのコクピットは、基本的なコクピットとして取得している。(従来機)
そして、このコクピット(F-35)は、マンマシンインターフェース上に構築されており、このマンマシンインターフェースは2つ目の機能を提供する。これは、F-35のコア・コンバットシステムを共に統合するフュージョン「エンジン」である。なので、フュージョン「エンジン」および、コクピットにおけるフュージョン「エンジン」の関係について少し話します。

スカフ:そのフュージョン「エンジン」は飛行機の心臓部であり、パイロットに状況認識と管理可能な作業負荷を与えるコア能力イネーブラー(重要な中核能力)である。
それは、センサーを介して飛行機の外側にある全ての情報を収集しており、それらを相関させ、パイロットのために非常に解釈し易い単一の画像を提供する。

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F-35 Z軸フュージョン
C-5 ISR /D(決定)コックピット
  • F-35コクピット内の個々のパイロットは、歴史史上最高の情報リアルタイムデータベースを持っている。
  • 各F-35は、UAVとロボットを含む他の空/陸/海/宇宙のプラットフォームに追跡をローディングすることによって、360°の3次元空間でネットワークと直接噛み合うことが可能になるだろう。
  • フュージョン・エンジンは、各ディスクリート(慎重な)システムを自主的に改善することが出来るため、C5ISR-Dコクピットを強化するワールドワイドなIR&D(Independent Research and Development=自前の研究・開発)とR&D(Research and development=研究開発)に焦点を当てることを目的としたドライブ(活動)を統一することができる。

SLD:実際にあるこれまでのストーブパイプ(煙突のよう孤立していて並列する他の物とは接続することができない状態のシステム)を複数の物と統括する、このフュージョン「エンジン」の利点は何ですか?

スカフ:それは、私たちのために3つのことを行う。最初の1つは、飛行機の外側を見る大きな画像を解釈するための簡単な方法を提示する。
2つ目は、センサーの欠落しているデータを埋める仕事をする。そして、3つ目は、この画像をネットワーク上の全員と共有する。
そのため、全く初めての同一画像を私たちは全員で見ている。
以前の世代の飛行機では、私たちはレーダー警報ディスプレイとレーダーディスプレイといくつかの他のフェデレーション(連携)センサーディスプレイを持っていたかもしれないが、現在、我々はその上に全体の画像を持つ1つのディスプレイを有している。

SLD:ということで、あなたは新しいコクピット・ディスプレイとヘルメットとフュージョンエンジンの組み合わせが、パイロットにとって新しい状況を作り出すと主張している。それは、あなたの頭の中に25個のアプリケーションを統合するのではなく、ボタンを押せば知ることが出来る、iPadの画面を押してアプリケーションを手で作業するようなものである。それは正しい例えですか?

スカフ:はい、まさにその通り。

SLD:そのベースライン航空機の固有の追加機能についての議論。そのフュージョンエンジンは、戦闘中の活動全体で情報を共有したり、それを見るための別の方法として各航空機は相乗効果が使用可能である。その飛行機に何が起こっているのか少し話せますか?

スカフ:F-15とF-16などのような第4世代機は、少し相乗効果があるが、しかし、それはパイロットが無線で話して考え付くことができるという相乗効果だけである。
我々は、この画像の共有およびネットワークを介していくつかのセンサー・タスキングを共有しているので、私たちはその機体に内蔵されている相乗効果を持っている。
これは、私たちが共有している情報が、以前よりもずっと大きな戦闘付加価値を有していることを意味する。
それは、正確に同時に2台のレーダーを動作させることで、私たちは部分の総和以上(1+1で2になるのではなく3~5以上になる)の物を手に入れ、あなたと私は飛行中にそれを得ることができることを意味する。あなたは高空を見ているかもしれないし、私は低空を見ているかもしれないが、我々二人は現在の物よりもさらに大きな画像を見るという利益を得ている。

SLD:事実上、F-35には「フライング・シナジー(相乗効果)・システム」という、あなたのアプローチが使われている。

スカフ:それは良い方法である。

SLD:しかし、無線は、レガシーシステムとF-35のその共有COPと共に、共有のセンターピース(最も重要な物)と言ってもいいだろう。無線はCOP(共通運用画像)に向かう。それは正しいですか?

スカフ:その通り。
そして、これより以前では、あなたと私は、我々は口頭で画像を作るため、私は若い僚機としてのあなたに説明しようと試み、あなたが何を言っているのか、私が何を言っているのか、我々は戦闘空間の画像を私たちの頭の中で画像を組み立て相関させようと試みるだろう。
現在では、我々は、私たちのために画像を構築することが出来るコンピューターパワーを持っている。そして、私たちは、知識を共有し我々二人が見ることができる同じCOPで話し合うことが出来る。

SLD:我々が確信している一つの事は、それは広く理解されていない、飛行機が実際には飛行機ではないということである。それは、ウェポンシステムであり、それはチップとソフトウェアのアップグレード能力に基づいて構築されている。
戦闘機をアップグレードするクラシック(従来)なアプローチと比べて、チップとソフトウェアのアップグレード可能性の重要性について少し話します。

スカフ:最初から、私たちはテック・リフレッシュ(科学技術の更新)を行う飛行機として設計しており、すでにシステム開発とデモンストレーションまたはSDDフェーズの間において、2組のテック・リフレッシュ(科学技術の更新)があった。
我々は、この初期の段階でテクノロジーが変化、およびハードウェアとソフトウェアの両方がアップグレードするだろうということが分っていたので、我々はそれを先取りして計画していた。
以前の飛行機では、我々はそういう計画を時々しかしていなかった。
私たちは飛行機を作った事後に決定するだろう。:それで、我々は新しいハードウェアと新しいソフトウェアにアップグレードする必要がある。
それ(以前)は、アップグレード可能性の計画が無かったため、納税者としての我々にかなりのコストと時間をかけていたが、現在の我々はテック・リフレッシュで計画している。
それは、自宅でコンピューターの何かを探すことに似ており、あなたはバス(通信路)を選びにしばらく周り、将来的により良いグラフィックカードに交換することができることを知っている。そして、準備が整ったら、あなたはBest Buy(米国の店)に行き、グラフィックスプロセッサの次世代カードを買う。

理解するのに重要なもう一つの側面は、このチップとソフトウェア・アーキテクチャが、米国サービスとグローバルF-35パートナーの3つの全航空機バリエーションで共通しているということである。
機体はA、B、C間で異なってはいるが、内部のソフトウェア、内部のセンサー、パイロット・ビークル・インターフェースは同じある。それは基本的なコンピュータのIntel Inside(インテル社のキャッチコピー)のようなものである。

その結果、我々は共通の経済性を獲得し、経済の拡大を得ることができ、米国サービスと私たちのパートナーは全て同時にアップグレードし、その利益を共有する。

SLD:基本的な飛行機はステルス性を付加する方に向かっている。多くの場合、第5世代機は定義上の特徴としてはステルス機であるが、しかし、実際にはセンサーの相乗効果の統合という、非常に異なるアプローチとしてのイネーブラー(重要)がある。
ステルスはどんな状況で役割を果たしていますか?

スカフ:兵士の視点からは、少なくとも今のところ、それはより多くの時間を私に与える。私は、敵がそこに私がいることを知る前に接近することができ、または私は誰かから容易に逃げることが出来る。
それは、飛行機に組み込まれたステルスであり、私たちのアシンメトリー(非対称性)の一部である。
それから、製造業の側面もある。許容誤差は非常に厳しく、その製造プロセス全体がステルスを可能にしている。それはより良い製品、より良い許容誤差を作る。
それは、定義上の特徴ではなく、航空機の他の能力がイネーブラー(重要)である。

SLD:それは完全には理解されておらず、ステルス以外の他の部分は単なる上辺だけの物ではない。それはエンジンを組み込む方法。それは自分が選択しない限り、武器を外部に付ける必要はないという事実。それはセンサーが特定の方法で組み込まれている。そのレーダーと関連付けられたコンバット・スイートは、特定の方法でノーズコーンに組み込まれている。
したがって、ある意味で第7の要因は、F-35が非常に機敏な戦闘機であり、敏捷性は戦闘運用のキー・イネーブラー(重要な鍵)である。

スカフ:戦闘機パイロットの視点では、敏捷性は戦闘機の性能である。
古典的な例はYF-23だった。それは驚異的なインターセプターだったが、それは、それが精一杯だった。それは旋回することができなかった。それは素晴らしい機敏さ、戦闘機の性能を持っていなかった。
飛行機はステルス性を非常に持っていたが、戦闘機としての性能を欠如させることでそれを支払っており、彼らはステルス・イネーブラーとは極端にかけ離れていた。

B-2は別の例である。それは非常にステルスで素晴らしい飛行機である。私が知る限りそれは誰にも追跡されたことがない。
しかし万が一、誰か特に敵の戦闘機によって発見されれば、彼らは本当に困るだろう。彼らは夜間に飛行し、視覚的な捕捉を上手く拒むことで適応していた。
我々は、F-35でこの問題を起こすつもりは無い。

SLD:敏捷性はあなたの生存性の一部である。ステルスはあなたの生存性の一部である。生存性は、複数の変数の関数である。それは、単なるステルスのおかげだけではないというのがあなたの主張である。

スカフ:その通り。

SLD:第8の要因は、基本的な飛行機に組み込まれているF-35のパワープラント(発電)である。
そして、人々がUAVと有人機を比較するときに完全に理解していない事の1つは、戦闘機のパワープラントがセンサー機能の多くに影響することである。UAVの場合、発電の大部分は機体を飛行させるためのものであり、残った部分がセンサーのためのものになるので、とにかくそれはそれほど最適なものではない。
なので、F-35の発電と、ウェポンシステムとしてのF-35の能力の役割と影響について少し話します。

スカフ:兵士の視点から見ると、これは、これまでに製造された単発エンジンで最も大きい戦闘機である。それは、パイロットの管理を必要とせず、パイロットの視点からは膨大な量の推力を生成する。
エンジンの技術はますます良くなってきており、現在はFADEC(フル・オーソリティ・デジタル・エンジン・コントローラ)によって制御され、パイロットの彼または彼女は、好きなだけスロットルで推力を指示することができる。それに問題はない。
エンジンを管理する必要がないため、このワークロード(仕事量)の削減に再び取り掛かることができる。プラット&ホイットニーのエンジンが処理を行うので、あなたは自由になる。
整備員の視点から見ると、それは簡単に取り外して交換できるのでメンテナンスが比較的容易であり、全く余裕がない空母甲板またはLHD(強襲揚陸艦)において特に重要である。それは、それを行うためのいくつかのツールの最小限のセットが必要なだけである。

SLD:F-35は単発エンジン戦闘機である。2つのエンジンを持つ方が良いのでしょうか?

スカフ:答えの核心はだいぶ単純である。エンジンの信頼性は、1つのエンジンで十分以上であるレベルにまで成長している。

SLD:最後に、武器を運ぶF-35の能力について取り上げてみる。明らかに、その飛行機はほとんどの従来兵器を運ぶことができるだろうが、同様に次世代兵器にも適している。
あなたは基本的な飛行機の武器の側面について話せますか?

スカフ:それは、従来の航空機(例えばF-16)が運ぶことができるあらゆる武器を運ぶために設計されている。私たちは、内部および外部で運ぶコンビネーションを持っている。
ステルスは、統合防空システムを破壊するとき、最初の数日中の運用において重要である。そのような状況下では、あなたは武器を内部で運ぶだろう。そして実際、あなたの内部兵器ペイロードの全ステーション武器は、全体的にF-16が外装する物とほぼ同じである。なので、F-35はその点において本当に良く行うことができる。

もし、ステルスがどうでもいい場合、私たちは外部で武器を運ぶことができる。実際には、合計18000ポンドの武器を運ぶことができる。
私が初めてF-16で飛行したとき、その飛行機の重量は18000ポンドだった。なので、それはF-16全体を翼と内部で運ぶようなものである。その飛行機内には18000ポンドの内部燃料があり、F-35は内部燃料と外部武器をフルに搭載することができるため、その飛行機は2機のF-16を運んでいるようなものである。

そしてもちろん、内部で持つということはステルス以外にも多くの利点があり、私たちに柔軟性とパフォーマンスと敏捷性を返す。F-16やF-18はそれらの武器を外部に付け、その戦闘性能の全てを奪ってしまうのに対し、私はフルに搭載することができ、非常に機動的で容易な超音速能力を持つ飛行機を持っている。

SLD:そして基本的な飛行機の、あなたが9つの基本的なパラメータの視点から説明したものが、今日の組立ラインで行われている。

スカフ:その飛行機は、現在の低率初期生産の組立ラインから出てくる。
私たちが話している飛行機には、それら全てのハードウェアが内蔵されており、近いうちに、私たちが語った全てを行うための完全なソフトウェアパッケージになるだろう。
最初のブロック2ソフトウェアは現在飛行しており、最終的に海兵隊員はそれでIOCに行く予定である。
しかし、私たちが話したことは全て、組立ラインから出てくる飛行機の中にある。 現在、将来の準備は整っている。

SLD:最後の論点。読者にソフトウェアのアップグレード可能性について説明できますか?

スカフ:私たちは、AppleがiPadを使い捨て用品の状態にしてあなたを困らせているという事実について話した。彼らがこの新しいRetinaディスプレイのiPadを出すと、多くの人々はiPad 2を捨て、より良いハードウェアとより良いソフトウェアの、非常に素晴らしいデバイスのために出かけるだろう。それについて問題はないが、それは高価である。
Kindle Fireとは対照的に、彼らのアプローチは異なっている。
なので彼らは、比較的コストが低く半分の価格のハードウェアで、ソフトウェアを繰り返しアップグレードして新しい機能を提供してきた。
そこで彼らは最初に、ハードウェアの断片を基にしてそれを導入していった。彼らはそれを効果的にやり遂げ、彼らはiPadに費やしたくないeリーダーやいくつかのデバイスを求めている民衆を集めた。
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F-35アドバンスド・フュージョンの利点

ホワイトペーパー投稿者:ロッキードマーティン
F-35とアドバンスド・センサーフュージョン
F-35のコックピットには、ネットワークの他のメンバーから提供された情報と同様に、機内のフュージョン・エンジンの作業が表示される。
しかし、フュージョンエンジンとは何か?
どのようなコンバット・システムが機内に統合されているか?
そして、パイロットに中核戦闘能力を提供する複数のコンバット・システムを持つ利点は何か?

アドバンスド・フュージョンの利点
そのシステムは非常に高度で革新的な設計であり、集合的に統合されたスイートとして動き出すため、テストパイロットが一つのセンサーを分離してテストすることが困難になる懸念があった。
エンジニアは意図的に、飛行機の中に特定のパイロット・ビークル・インターフェースを配置し、パイロットが1つのセンサーを選択し、フュージョン・エンジンがそのセンサーの追跡のみでやり遂げるよう考慮した。
この機能により、テストパイロットは個々のセンサーを検証できる。

今や敵は、レーダーだけに対抗するのではなく、統合され融合されたセンサースイートと戦うことを強制される。
センサースイートの冗長性と総合的な性質により、F-35は従来の戦闘機に比べて大幅なアドバンテージをもたらす。
これは、アドバンスド・フュージョンの大きな利点である。

F-22ラプターにもこの能力はあるが、それは新しいものではなく、それはF-35で完成されたものであり、第5世代戦闘機の重要な特徴である。
「我々はこれを行う方法を知っており、我々は以前それを行ったことがある。」と、F-35のパイロット・ビークル・インターフェースの主任エンジニアであるマイク・スカフは言った。
「現在ラインから出てくる飛行機には、この機能が備わっている。それは最終的な形ではないが、それはソフトウェアの各ブロックでより良くなっていく。」

私たちはソフトウェア定義の飛行機により近づいている。
アドバンスド・フュージョンは、パイロットのために3つのことを行う。
  • 第1に、それは、すべてのセンサーから1枚の統合された画像を組み立てる。
  • 第2に、それは、センサーの欠落したデータを埋める処理をする。
  • 第3に、それは、ネットワーク上の全員と情報を共有する。

これは、フュージョンの相乗効果が実際に作用し始める。:戦闘空間内の全F-35パイロットは同じ画像を見る。
次のシナリオを想定する。
敵パイロットが、センサーAである一機のF-35をいくつかフォーメーションで効果的に無力化する。敵が同じフォーメーションで、他のF-35にも同じことができる可能性はほとんど無いだろう。
敵が、複数のセンサーがある複数のF-35を同時に倒すことは非常に困難である。
F-35間のセンサーは融合しているため、航空機#1のパイロットは、航空機#2のセンサースイートを簡単にタップイン(利用)することが出来る。
F-35のセンサースイートをより詳しく見てみると、各センサーは高度なフュージョン・ソフトウェア・エンジンによって接続され制御されていることで、結果として部分の総和がより大きくなることを覚えておいてください。

レーダー
そのレーダーは、全てのレーダーと同様に、エネルギーを送受信する。
F-35のアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーは、複数の送受信モジュールで構成されており、個々の小型レーダーとして考えることが出来る。彼らは、コンピュータの制御下で一緒に働き、ほぼ瞬時に空間を直進するビームを操作することができる。

AESAレーダーは、上下左右に機械的に動かして走査しなければならないアンテナを持つ第四世代戦闘機とは異なる動作をする。
AESAは電子的に走査するため、物理的にアンテナが動き回る慣性を克服し、必要な空間にどこへでもビームを形成することが出来る。我々は、これらのビームをあらゆる場所で操作し、様々なレーダー機能を実行するために考慮している。

パイロットの視点から見ると、レーダーは空対空と空対地を同時に行っているように見える。それは実際にはそうではない。それは非常に速く、連続的に行われている。;情報がディスプレイに表示される頃には、パイロットはまったく同じ時刻に空中と地面を見ている。

そのレーダーは、以下のような様々な機能を果たす。:走査中に追跡、一つのターゲットを追跡および空中戦闘モード。そのモードは個性的なものではないが、AESAによってさらに優れたものになる。

空中戦闘モードでは、パイロットはヘルメット・マウント・ディスプレイの照準線に沿ってビームを初期化することが出来る。この機能は、パイロットがヘルメットの照準線に沿ってレーダーでキュー(指示)したいときに便利である。
その結果、ミサイルと銃を利用するための火器制御ソリューション(解決)を生成すると同時に、即時ロックが行われる。

そのヘルメットより以前では、基本的に前しか見えないヘッドアップディスプレイを介してのみこれを行うことができた。この高度なレーダーは、地上移動ターゲット表示や地上移動ターゲット追跡など、多数の空対地機能を実行することも出来る。それは、高解像度で地面を映すことが出来る。

合成開口レーダーの利点は、パイロットが雲と軽い降水量の中を通り抜けターゲティング画像を取得し、地上に何があるかを見ることを出来るようにする。
F-35にはまた、カラー気象レーダーも搭載されている。雷雨、スコールライン、および前線を通過しようとしているパイロットのためには、カラー気象レーダーが重要であり、戦闘機にとって一番の目印である。

ほとんどの場合、フュージョン・コマンドは、パイロットの関与がほとんど無くても、レーダーでターゲットを検出し追跡する。フュージョンは、そのレーダーを情報の一つとしてそれを使用し、ネットワーク上の他のF-35との融合した追跡を共有し、その結果をパイロットのために表示する。

分散開口システム(DAS)
Distributed Aperture System(DAS)は、新しいユニークなセンサーである。
DASは、6つのフォーカル・ポイント・アレイで構成されている。

これらは赤外線カメラで、飛行機の肌に埋め込まれており、飛行機の周囲全体を球状に検出する。──それは数学的には4πステラジアン(全球)である。レーダーが約10,000平方度(deg^2)であるのに対し、球全体は約41,000平方度(deg^2)である。

また一方で、その2つのセンサーには交差点がある。両者が同じ角度量で空間を見ているところでは、フュージョンはそれらを相乗的に働かせ、彼らは互いにキュー(指示)することが出来る。

フュージョンは、実際にキューイングを行う。1つのセンサーが何かを検出するとすぐに、フュージョンは他の全てのセンサーでキューを行い、その照準線に沿って注視し、その追跡に関する情報を見つけようとする。
印象的なことは、これはパイロットの関与なしに発生するということである。

フュージョンが認識すると、DASの追跡はレーダーと同じ空間の角度を、それはレーダーに指し示す。:「レーダー、この照準線に沿って注視し、DASが発見したこの追跡の距離を取得してください。」
または、もしレーダーの追跡で、その追跡がそのレーダーの視野を越えた場合も、ジンバルを持っているそれ、すなわちDASとフュージョンは話すだろう。スカフによると「そのパイロットのために追跡をし続け、レーダーの視野に戻ったり、飛行機の他のセンサーの視野に戻ったりすることで、これであなたは常に最新の状態に保たれる。」

それは、飛行機に搭載されたセンサーのこの相乗効果と、フュージョン・エンジンがこれを実行しているという事実により、その結果、パイロットのためのコクピット・ワークロード(仕事量)を管理可能にする。
これらはパイロットが手動で制御するのは骨が折れる事だが、コンピュータがアルゴリズムによって制御すれば簡単である。
F-35は、パイロットを戦術家の役割に戻している。

DASは多くの機能を実行する。これは、短距離状況認識赤外線サーチと追跡(IRST)を行う。
パイロットに対し、今日、誰かが彼に忍び寄ることはほぼ無くなった。
澄んだ空気中において、それは熱シグネチャによって他の飛行機を検出し追跡することができる。
それはまた、それの主要な機能である、ミサイル発射の検出も行う。それは、ロケットモーターを発見できるようにスペクトルが調整されている。
発射を検出した場合、Dr.スカフによると「発射、右2:00 LOW(下)」と表示される。(注:システムは実際にパイロットにこのメッセージを通知する)。
この例では、フュージョンは、そのミサイルとその発射地点の周りを、ヘルメットバイザーにシンボルとして配置する。
パイロットはしばしば言う。:「そのミサイルを発見できれば、私はそれを倒すことができる。」
ヘルメット・マウント・ディスプレイにシンボルがあれば、たとえ彼が肉眼でそのミサイルを発見できなくても、パイロットはシンボルの中にそのミサイルがあることを知れるだろう。

DASが実行する他の機能は、GTL(地上目標発射)と呼ばれている。これは、フュージョンがDASミサイル追跡を徹底的に予測する能力である。
フュージョンは、発生点においてヘッド・ダウン・ディスプレイにシンボルを配置する。これは、そのパイロット、特に戦闘空間の他のF-35パイロット達にとって、非常に素晴らしい能力である。
フュージョンは、自動的に我々のディスプレイ全てにGTLシンボルを配置し、私たちは発射場を避けることが出来るだろう。

DASの最後の機能は、イメージングである。
これは、パイロットがDASカメラで見透かすことを可能にするフォール・アウト機能である。各カメラはシームレスに繋ぎ合わされ、パイロットが使用するための完全な球状の画像をプレゼントする。
パイロットは、飛行機を直接見透かすことができ、夜の暗い場所であっても、その球状の全体をどこでも見ることが出来る。

EOTS
電子光学ターゲティングシステムは、コクピット・ディスプレイ上ではTFLIRと呼ばれる。
ターゲティング前方監視赤外線(TFLIR)は、他の飛行機で使用されてきた馴染みのある用語である。
F-35のTFLIRは、SNIPERターゲティングポッドと非常によく似ており、SNIPERの機能のほとんどを行うことが出来る。
それは、照準線に沿って見る、追跡およびイメージング機能を実行する高倍率熱画像である。

ここから最も重要な機能:それは、飛行機の内部に搭載されている。
F-16、F-15、さらにB-1を見ると、TFLIRポッドは大きく、気流のある外側にぶら下がっている。その結果、多くのレーダー反射断面積と多くの空力抵抗が発生する。このポッドを飛行機の内部に収まるように、小さく再設計したことがキー・イネーブラー(重要な鍵)である。

それは、レドームの下の窓から外を見通す。
TFLIRの視野は、パイロットによって手動で制御しても良いし、フュージョンによって自動的に制御しても良い。
フュージョンは非常に優れた仕事を行っており、パイロットが管理する物が1つ少なくなることを意味する。

電子戦スイート(EW)
その飛行機は、電子戦スイートを持っている。それは、複数の機能を持ち、フュージョンと統合的に実行する。
これらの機能の中には、電波妨害(ECM)、電子戦支援(ESM)、レーダー警報受信(RWR)などを含む。

これらは、ほとんどの第4世代戦闘機で組み合わされている機能である。
F-35においては、その電子戦スイートのこれらの機能は全て埋め込まれており、多機能アレイを含む、飛行機の周囲の全てのアンテナをフュージョン制御下で使用し、パイロットの関与を最小限に抑える。

飛行機が戦闘空間を飛行するとき、そのEWS(電子戦システム)は電子的な戦闘序列の画像を構築するため、フュージョンによって仕事を任される。
それは、エミッタ(電波)を識別し、それらを探し出し、それらを分類し、戦闘空間に検出した何かをパイロットに報告する。

CNI
通信、ナビゲーションおよび識別(CNI)スイートは、ソフトウェア定義の無線である。これは、F-35においては、実際には昔ながらの意味での無線ではないことを意味する。
その飛行機内には、緊急事態のためのバッテリーに接続された、実際の物理的な無線が1つあるが、それ以外の他は全てソフトウェア無線である。

無線は、パイロットがソフトウェアでそれらをインスタンス化(データの集合体を生成すること)するまで存在しない。
そのCNIシステムは、コンピュータを初期化しそのプログラムを実行すると、ソフトウェアが実際に無線を構築する。
リンク16、多機能データリンク、計測着陸システム、音声などの無線周波数(RF)の波形は、ハードウェアで固定されているのではなく、ソフトウェアで定義され構築されている。
このスキーム(構想)は、変化のための素晴らしい成長と機会を可能にする。
新しいデータリンクと新しい波形は、ソフトウェアで作成されており、多くの場合、新しいハードウェアを購入してインストールする必要は無い。

F-35の戦闘学習と進化に対する意味
F-35は、これまでに学んだ教訓に基づいて設計された。
最も顕著な教訓は、世界で唯一の他の第5世代戦闘機からだった。F-22は10年以上前に開発され、エンジニアは現在、新しいテクノロジーと教訓の利点を有している。F-35は、第5世代戦闘機の方向の次のステップである。

ジョン・ボイドの遺産の1つは、有名なOODAループである。:視認、正しい位置、決定、行動。
彼は、戦闘機パイロットが彼のOODAループを必ず繰り返すと、彼の敵よりも速く繰り返すことができ、戦闘において決め手となる、と彼は言った。
アドバンスド・フュージョンは、第5世代戦闘機がそれをその通り行うことを可能にするキー・イネーブラー(重要な鍵)である。
アドバンスド・フュージョンは、第5世代の心臓部である。
私たちは、ソフトウェア定義の飛行機に迫っている。
F-35は、まだそこまでそれは完全ではないが、現在までのどの航空機よりも、そのビジョンの達成に最も近い。
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F-35コンバット・システム・エンタープライズ(事業)の構想

F-35コンバット・システム・エンタープライズの構想
2011年3月22日
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F-35コンバット・システム・エンタープライズ(クレジット:SLD)     F-35コンバット・システム・インテグレーション(クレジット:SLD)

F-35は、空中戦の新しいセンサーコンセプトであるDASのおかげで、それ自身の周囲が完全に見える初の戦闘機である。
全体で、F-35の内部センサースイートは、360°基底(空間)を何百マイルも見ることが出来る。
そして、パイロットが管理しなければならないシステムを追加する従来の航空機とは異なり、F-35のコア・コンバット・システムは、インタラクティブ(相互作用的)に働く。

このインタビューでは、航空戦闘団の元F-15/F-18パイロットでJSF要件幹部のノースロップグラマンエレクトロニックシステムの、ピート“トーズ”バルトスは、F-35コンバット・システムの性質と、それらがどのように連携するかを説明する。

SLD:実際にこれを普通ではない航空機にするセンサーの新世代の統合は、どんな意味があるのだろうか?
そして、360°の機能を持つアドバンテージについても説明する。

バルトス:その答えには、2つのコンポーネント(構成要素)がある。
それは、ビルディング・ブロックス(基礎的要素)から始まる。
JSFは、異なる要素たちがお互いを支え合えるように設計された。
例えば、AESAレーダーとEWスイートは、それら自身が全てを行う必要はない。;EOTSとDASは、全ての赤外線(IR)要件を単独で回答する必要はない。
これらのセンサーは、システム・レベルの機能を備えたコンバット・システムとして一緒に働くように設計されている。

SLD:あなたは、インタラクティブ(相互作用的)な支援性を求めていたのですか?

バルトス:全くその通り。フュージョンは、他のセンサーの強みを活用する方法である。
センサー・ビルディングブロックス(基礎的要素)は、他の物を強化できる柔軟な多機能アビオニクスとして設計されている。

AESAレーダーを例に取る。
私たちは一般的に、それをMFA(マルチ・ファンクション・アレイ(多機能アレイ))と呼んでいる。
もちろん、それは多くの空対空モードと多くの空対地モードを持っている。
しかし、それはまた、EW開口の能力がある完全な機能も提供する。
EWについては、電子防護、電子攻撃、および電子支援を意味し、最後の物は識別またはパッシブ操作を含む。
要するに、そのAESAには、柔軟性とスペクトラム・カバレッジ(電波の送受信が可能なスペクトル)を最大化するための、テクノロジーが許容する多くの接続性、処理能力、およびワイド・バンド幅(広帯域幅)の設計が組み込まれている。

そのレーダーは、F-35の翼線および他の表面に埋め込まれたEWギア(機器)と直接相互に作用する。
そのEWシステムは、360°のカバレッジ(電波の送受信)を提供し、戦場における高周波(RF)スペクトルをカバーする。
F-35 CNIシステム──通信、ナビゲーションおよび識別──は、360°のRFスペクトラム・カバレッジをさらに拡張する、もう一つの柔軟で再プログラム可能なシステムである。
レーダーとEWシステムは共生しており、高速ファイバー・オプティカル(光ファイバー)・システム上に構築された、高速データバスを介してリンクされている。

そしてそのシステムは、事実上パルス間で通信し、RFスぺクトラム内において互いをアシストする。
そのEW技術は、そのレーダーを通じてチャネル(IT分野では周波数帯域を通信路として設定することを指す)することができるので、そのレーダーはアドバンスド・ジャミング(高度な妨害)リソースを利用することができる。
そのAESA自体も同様に独自の攻撃モードと、非常に敏感で正確なジオロケーション機能を持っており、どちらもEWギアと連携して働くことが出来る。
そのCNIシステムも、高速データバスを介してリンクされている。

赤外線の方には、DASとEOTSがある。
DASは、十分な感知、十分な精度、および十分にロングレンジな航空機の検出および追跡能力を含んでいる。
よりロングレンジなIR(赤外線)機能とターゲティングのために、EOTSはDASと併用して使用することが出来る。
EWシステム、DASまたはEOTSを介して受動的に検出したかどうか、またはターゲットが多機能レーダーの視野内にあるかどうかにかかわらず、F-35はそれを発見することが出来る。

SLD:ということで、あなたはシステム間の相乗効果を探っていたので、あなたはゼロから設計したのでしょうか?

バルトス:そのセンサー・システムは、一緒に働くように構築されている。
これらのセンサーはどちらもノースロップグラマンによって設計され構築されているため、私は主にDASとAESAレーダーの多機能性に焦点を当てる。
DASの高解像度センサーは、ミサイルの警告、画像、および私が言及した航空機の検出を提供するために使用される。
DASは、ロングレンジでミサイルを追跡するため、ミサイルがどこから来たのか見ることができ、同様にキューを妨害する。
EOTSやAESAは、あなたを発射地点まで旋回させることで、ターゲットを識別し、発射し返すことができる。
そのDASのビジュアルモードにおける画像は、パイロットのヘルメット、そして中継ディスプレイに映され、そして将来は恐らく他のユーザーともやり取りする。

脅威の検出がEWシステムから発信されると、ジオメトリ(三次元空間の座標)に応じて、レーダー、DAS追跡、EOTSまたは全4つのシステムを介し即座に検証および洗練が行われる。
僚機のセンサーも、そのCNIシステムを介して回答を追加することができる。
そのJSFミッション・フュージョン・ソフトウェアは、幅広いアルゴリズムと、ターゲット追跡とID(識別)を作成および維持するための様々なセンサーをタスク(処理)する能力を持っている。
言い換えれば、多層的な能力がある。

SLD:F-35は実際に、高脅威環境のために設計されていますが、紛争のあらゆる範囲で運用が可能なスイスの軍用ナイフとして機能しますか?

バルトス:はい、その通り。
私たちは、AESAレーダーとDASには、進化するミッション・ニーズに対応するための大きな柔軟性が組み込まれていることに気づいた。
ここに、センサーの柔軟性の実例がある。
ノースロップ・グラマンは、6月に商業宇宙打ち上げ用車両の2段ロケットに対して、DASのテスト飛行を実施した。
DASは、ミサイルの第2段階を800マイル以上追跡した。
同時に、DASはテストジェット機自身の周囲の全ての航空機を追跡し、さらにロケット再突入の第一段階も見た。

DASは、弾道ミサイル防衛ミッションを意図していなかったが、この飛行テストは、その能力が既にそのセンサー内に存在することを示した。
私たちは今現在、実験であらゆる種類のスレッド(連続した処理の流れ)を実行しており、DASシステム本来の目的から外れた複数の用途を発見している。
APG-81レーダーでは、現在、高度な戦闘ID(識別)モードをテストしており、同様に追加の識別で海上でも使用している。

SLD:これはID(識別)の問題ですか?

バルトス:ID問題と構造的な問題である。
F-35のアビオニクス機能の中核には、非常に高速な最先端のプロセッサーがあり、それは今後も進歩を続けるロードマップがある。
少なくとも2年ごと、1ブロックごと、または2ブロックごとに、新世代のプロセッサ計画がされており、それは既存のハードウェアおよびソフトウェア・アーキテクチャに適合する。
F-35のAESA、DAS、EWまたはEOTSのような柔軟性のあるアビオニクス設計がある場合、組み込みたいアプリケーションの数には限りがなく、より高度なモードではさらにプロセッサ速度を上げていく必要がある。

SLD:これは、F-35が地上、海上および分散型航空作戦を支援するために生成したデータが、重要な成長経路を期待できることを意味しますか?

バルトス:その通り。
F-35は既にかなりの固有の能力を持っているが、フレキシブル(柔軟)なセンサー/フュージョン・アーキテクチャは、F-35によって生成された膨大な量のデータを活用し、新しいミッション要件を手頃な価格で満たすことができる。
例えば、今現在のベースラインF-35のDASには、空中追跡およびミサイル追跡の仕事だけが提供されているが、それは確実に進化していくだろう。
DASとフュージョン・アルゴリズムを改良し、プロセッサ容量のデータ・ロードとの適合を保証することによって、DASは移動するターゲット、ミサイル発射装置、および他の物も見ることが可能になり、追跡を統合し、報告することができる。

SLD:あなたが以前に作ったポイントに戻ってみる。
あなたは、古典的な戦闘機の心的構造と比較して、新しいアプローチが意味する何かにハイライトを当てることはできますか?

バルトス:標準的な航空機の取得モデルには、アーキテクチャ内にいくつかの固定された要素が存在する。──あなたは、あなたのコアプロセッサを構築し、レーダーを統合してもいいだろう。
しかしその後、誰かがやって来て、こう言う「やあ、素晴らしいアイデアがあるよ。ターゲティングポッドを追加しよう。」
それで、ポッド型センサーが追加されるが、しかし、それはレーダーや他のアドオンと統合されていない。

SLD:なので、その違いは、F-35がスマートフォンのように操作することを可能にする柔軟なアーキテクチャであるのに対し、古典的な航空機のこれは追加的な構造である。
私が従来の航空機を持っていて、それを追加しようとしても、システム間の相互作用はない。
そのパイロットは、ディスプレイを見て相互作用を発生させ作らなければならないだろう。
F-35においては、互いに作用する様々なツールが描写してくれるため、そのパイロットはそれに多大な時間を費やす必要がない。

バルトス:私は、それは素晴らしい要約だと思う。
ローデータ(人間や機械によって集計や抽出、処理、加工、編集などを行なっていない、素のままのデータのことを指す)を渡してパイロットをインテグレーター(統合者)にしてしまうことは無い。
相互支援センサーからセンサーデータを取り込み、アーキテクチャがデータを統合し、すぐに使用できる情報をそのF-35パイロットに提示している。

イラクでの戦闘ミッション完了までの間、敵は地上から絶えず私を撃っていた。
私は、自分の時間の90%は外を見つめ、SAMと対空砲がある地面と地平線をスキャンし、10%がF-15の空対空レーダー・ミッションをやって過ごした。
それが、私が作業することができた全てである。
F-35は、あなたのためにスキャンとプロセシング(処理)を行うため、航空機を最も効果的に使用または配置する方法と、あなたが探している戦場の効果を作り出す方法を決定することが出来る。

イラクで、もし誰かが私に向かって撃ってきたとき、どこから、そしてどんな種類の武器であるのか、私は教えてもらった方が良かっただろう。
F-35には、反撃を即座に可能にするために、その脅威の座標を自分の武器に直接入力したり、オフボード(場外)から私の僚機へ入力する能力がある。

SLD:F-35のAESAシステムと、従来のAESAの違いについて説明できますか?

バルトス:AESAは一般的に、分解能(解像度)、受信性、レンジ(距離)およびインテグレーション(統合)によって区別される。
その克服すべき最大のハードルは、レーダーが他のRFシステムを共存させ活用する能力と、受信時にそのRFデータで何かを行う能力である。
APG-81は、まず初めに電子戦および他の機内EWシステムとの統合のために構築された。
APG-81は、ビルディング・ブロックス(基礎的要素)により、ID(識別)、電子攻撃、電子防護、またはステルス性のある操作など、他のレーダーよりも優れた性能を発揮する。
我々は、F-35が従来の戦闘機よりもはるかに多くのことを行う必要があることを知っているので、これら重要な機能を全て組み込んだ。
そして、これらの重要な機能は全て、標準的な空対空レーダーおよび空対地レーダー機能への見返りを有している。

SLD:なので、最初にF-35で開始した、基礎から外れた構築を可能にする、コンバット・システム・エンタープライズについて話せますか?

バルトス:統合された事業のその中核の要素は、AESAレーダー、EWシステム、DAS、そしてEOTSである。
しかし、CNI技術、高度なプロセッサ、そして航空機に搭載された光ファイバー伝送システムを使用している高速データバスなど、同様に他の重要な要素もある。
これらのイネーブラー(重要な物)は、相乗的な能力を創造し、強化し、通信することを可能にする。

SLD:そして、これは従来の航空機からの大きな変化ですか?

バルトス:それは、ブロードバンド対ダイヤルアップのモデムに似ている。
はい、これらは両方ともインターネットアクセスは可能であるが、非統合アビオニクスは1553データバスと互換性の無いアプリケーションにこれらは悩まされているため、全てダイヤルアップで行っている。
対照的に、そのF-35には、真新しい大容量データバスと共に統合されたアビオニクスが搭載されている。
従来の航空機は、追加の追跡を持つことは出来るが、F-35が行うことが出来るようなリアルタイムのマルチスペクトル・データを彼らが利用することは無い。

SLD:元戦闘機パイロットとして、あなたはF-15の経験が豊富である。
パイロットはF-35でどのような異なる空対空オペレーションを行うのでしょうか?それは大きなカルチャー・チェンジ(様式の変化)のように見える。

バルトス:ええ、そうです。
そして、あなたはステルスであるため、F-35はいざという時もあらゆる罠に陥ることなく、あなたは敵により近づくことができ、あなたのミサイル発射は今や、脱出の射撃ではなく、死の射撃である。
今日のF-15は、他の奴らのミサイルのレンジを非常に警戒しており、また、とにかくあなたは大きく非ステルスの機体であるため、あなたがどこにいるか知られてしまい、あなたは基本的に彼があなたをロックしていると仮定しなければならない。
そして、あなたはミサイル警告システムを持っていないので、あなたは敵の近くにいるときに、あなたの方にミサイルが向かってくることを常に仮定しなければならない。

あなたは、緊迫するチキンのゲームをプレイしており、あなたは石を投げるためにたくさん近づいてしまうと、石があなたに返ってくるのであなたは避けるために逃げる。
そして今度は、あなたはそっと近づき、より近い距離から別の石を投げ込もうと試す。
そして、あなたは再び走って彼の次の石を避けようとする。
あなたは、彼が先に石が不足すること、または、あなたが石を投げるところを見ていないことを願っている。

しかし、あなたは報復の恐れ無しにそこに入り込み石を投げる。
F-22のように、F-35はチキンをプレイすること無く、接近してキルショットの機動と攻撃をすぐに行うことができる。
もしF-35が悪い状況に陥った場合、パイロットはF-15よりもずっと簡単に自ら抜け出すことができる。
F-35は、後ろに目を持っており、それはハイ・オフ・ボアサイト・ミサイルと頭部が連動しているため、向こう向きのまま動かずに攻撃することができる。

DASは、常に全方向で一斉に、近くのあらゆる航空機と、向かってくるミサイルを同時に探している。
F-35ミッション・フュージョン・ソフトウェアは、ダイナミック(大胆な)な旋回中のドッグファイトや、ターゲットがあなたのすぐ後ろにいる場合でも、ターゲットとID(識別)の選別をし続ける。
ドッグファイトにおいてF-15を飛行させている間、私は、常に私の目で敵と僚機を手作業で検出し、追跡するために頭を回転させなければならない。
私が見ているその遠方の物体は、F-15なのか敵対的な航空機かどうかは急には分からず、状況認識は急速に崩壊する。

私はMiG-29に対して飛んだが、私が近づいて塗装を見るまでは、私はそれがF-15ではないと確信できるとは限らなかった。
旋回戦において、高G荷重の状態で頭と目を前後に動かすと、とても簡単に航空機を見失ったり、混乱したり、誤認したりする。
データリンクの更新速度は、ドッグファイトにおいてID(識別)を狙うためには遅すぎる。
ID(識別)の相関関係は、彼らは猛スピードで過ぎ去り、あなたのジェットと入れ替わり、逆もまた同様に、僚機も敵機や悪者と頻繁に入れ替わってしまう。

F-35においては、これらのID(識別)を失うことは無い。;それは、様々な航空機を追跡する高い更新レートのセンサーが、常時最低でも1つは存在しているため、その状況認識を失うことは無い。
それどころか、あなたは、悪い状態から良い状態に視覚的に整理するために、飛行機を旋回させ混乱させるのではなく、あなたの状況認識ディスプレイまたはヘルメット・シンボル体系をただ見ることによって、さらに良くなる可能性がある。
そして、もしミサイルであなたのF-35が撃たれた場合、それが煙が出ているか出ていないかにかかわらず、それが向かって来ていることが見て分かる。
あなたは、航空機が自動的に提供する妨害に任せるか、または適切な手段を取ることが出来る。

歴史上、空対空キルの95%は、被害者の彼は撃たれたことを知らなかった。
                    もっとも、F-35を引き合いに出す場合には、その他の者らの損失率のそれ(撃たれたことを知らなかったということ)は、当てはまらない。

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  • 最終更新:2017-03-18 04:22:59

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